店内環境への配慮

プレイヤーに対するアンケートのみならず、利用されていない方々に聞くアンケートでも、ホールの店内環境に対する不満やマイナスイメージとして常に上位にランキングされるのが「タバコの煙や臭い」と「騒音」の2点です。この改善は、業界にとって長年の課題になっています。

タバコの問題については、店舗の設計段階から煙を効率的に処理する構造にしているほか、空気清浄機やマイナスイオン発生器、消臭機器、さらにはフレグランスディフューザーによる香りの演出、透明なアクリル板で遊技台の左右を仕切る分煙ボードなど、さまざまな配慮をしています。それでもタバコの臭いを嫌う人からすると、まだまだ不満は大きいようです。ホールは他の商業施設に比べて来店客の喫煙率が高い傾向があるため、タバコを吸わない人にだけ配慮して禁煙や分煙を推し進めることが難しい側面もあるのですが、いずれにしても各種設備の発達にあわせてホールが継続的に取り組んでいるテーマです。近年は喫煙室を設けたうえでフロアを全席禁煙にしているホールも多くなったほか、全館禁煙の大型ホールも出てきていますが、業界全体としては一方にある「安心してタバコを吸える施設」としてのニーズとの折り合いが課題といえるでしょう。

一方、音の問題ですが、ご存知の通りホール内はさまざまな音に満ちあふれています。遊技機の電子音や演出の音については、遊技機メーカーの業界団体が音量の上限規制をしているほか、プレイヤーが自由に音量調整できる機能を搭載した遊技機も登場するようになりました。遊技台以外の騒音では、補給装置や島設備で内部の構造を見直して静音化を図っているほか、緩衝材や吸音材を取り付けるといった工夫も進んでいます。ただし、タバコの問題と同様、例えば遊技機についてはプレイヤー側にとっては音の演出も楽しむ傾向があるため、この音量をあまり下げすぎると不満が寄せられることもあるなど、ここでも一定の折り合いが求められる状況にあります。

タバコの煙や臭い、そして騒音以外でいえば、利用者の利便性や快適性を向上させる取り組みはかなり進んでいます。長時間遊技しても疲れにくいイスやくつろげる休憩室、無料のマンガコーナー、携帯電話の充電、店内Wi-Fi環境の構築、さらには女性専用のパウダールームを備えたトイレなど、さまざまな設備やサービスを積極的に導入しています。