のめり込み・依存症への取組み

パチンコ・パチスロは身近で手軽な大衆娯楽として、多くの人々に楽しまれています。しかし、残念なことですが、過度にのめり込むことで、借金や失業などの経済問題、うつなどの精神医学的問題、借金などを契機に引き起こされる犯罪など、様々な問題を抱えてしまうリスクが伴っていることも事実です。

それ自体がもたらす快感や興奮といった刺激に加え、孤独やストレスなど一人一人が置かれた状況には違いがある以上、複合的な要因で引き起こされる複雑なテーマといえますが、業界はこれを「個人の責任」と片付け、無関心でいるわけにはいかない立場にあります。特に、親などの保護者が遊んでいる間、車内に放置した子どもが亡くなる事故が社会問題として取り上げられたことなどを契機に、業界では過度なのめり込みが背景の一つとなる依存問題に対する取り組みを行っています。

その代表的な例が、業界団体が支援して2006年に設立された第三者機関、認定特定非営利活動法人リカバリーサポート・ネットワーク(RSN)です。全日本遊技事業協同組合連合会が平成15年に発足させた、ぱちんこ依存問題研究会の議論が設立のきっかけとなって作られた団体で、無料の電話相談を行なっています。問題を抱える人たちが集まる自助グループへの橋渡し、あるいは経済的な問題を抱える方には司法書士会や弁護士会を紹介するなど、公的機関とも連携を取りながら、問題解決をサポートしています。各ホールでは、店内のトイレなどにこのRSNの啓発ポスターを掲示しているほか、チラシやポケットティッシュの配布でその存在を紹介するなどして、広報活動にも力を入れています。

また、ホールへの来場回数や使用金額などを来店客自らが制限する自己申告プログラムの導入、過度な遊技を行わないよう客に対する注意喚起の実施、さらには18歳未満の者の営業所立入禁止の徹底などの取り組みも進めています。これら業界の取り組みは、2017年に成立した「ギャンブル等依存症対策基本法」でも、あらためて推進することが求められています。

また、各地の自助グループへの支援を継続的に行う組合やホール企業もあります。いずれにしても、業界ではこれを長期的な取り組みが必要なテーマであると捉え、今後も継続して実施する意向を明確に打ち出しています。