売上規模と粗利規模の推移

ホールの売上規模は19兆円弱

パチンコ・パチスロの売上規模はどのくらいあるのでしょうか。内外で一般的に使用されている指標のひとつが、公益財団法人日本生産性本部「レジャー白書」に記されている市場規模で、2013年の市場規模は18兆8180億円と算出されています。この市場規模は、貸玉(メダル)料である旨が記されている通り、パチンコで遊ぶプレイヤーが全国のホールで玉やメダルを借りた金額の1年間の総計になります。玉やメダルを貸す行為による売上げは、確かに会計上は売上高として計上されるべきものであり、ホールを経営する企業はそのような会計基準に準拠して処理をしています。ですから、ホール経営企業の決算に記されている売上高については、一部を除いてほぼすべての企業の決算書が「貸玉(メダル)料=売上高」として計上しています。

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パチンコ産業はよく、30兆円産業と言われることがありますが、その根拠となったのは1996年1月に総務庁(当時)が発表したホールの事業収入額であり、この発表を受けて「レジャー白書」も数値を修正しています。その後は緩やかに右肩下がりの傾向が続いており、ここ数年は20兆円を割り込む状態となっています。こうした市場規模の推移についてレジャー白書では、「2003年以降の減少に歯止めがかかった」としながらも、高齢者だけではなく若者のパチンコ・パチスロ離れを指摘し、「ヘビーユーザーを対象とするマニア化の進む遊技機による営業スタイルは、このあたりが限界と見られる」と分析しています。

売上規模に関するもう一つの考え方

ところで、パチンコ産業の市場規模として貸玉(メダル)料がふさわしいのだろうかという議論があるのをご存知でしょうか。ホールの実質的な売上高は、玉やメダルを貸した金額からプレイヤーが遊技の結果、獲得した玉やメダルを賞品に交換した金額を差し引いたもの、つまり粗利額に相当する金額を指標とするべきという意見です。たしかに、カジノを代表とするゲーミング産業では、プレイヤーが投じた金額から獲得した金額を引いたものを売上高として計上するのが一般的です。ラスベガスやマカオ、シンガポールのカジノ業界の市場規模が各々58億米ドル(約5,800億円、2010年)、235億米ドル(約2兆3,500億円、2010年)、52億シンガポールドル(約4,000億円、2012年)だと言われていますが、それは上記の会計処理によるものであることに注意が必要です。カジノ産業の市場規模と日本のパチンコ産業の市場規模と単純に比較して、日本は賭博天国だなどという批判がなされる場合がよくありますが、対象としている数値が異なっていては比較できるわけがありません。

ダイコク電機が提唱する粗利規模

実際に、パチンコ産業においてコンピュータ機器を開発製造、販売するダイコク電機株式会社より、同社製コンピュータシステムを導入している店舗からの実データを基にした情報公開サービス「DK-SIS」による集計データから推定される市場規模と粗利規模の両方が発表されています。

DK-SIS白書による業界売上高
※参考:DK-SIS白書2013

同社「DK-SIS白書」によると、2013年の市場規模・粗利規模はそれぞれ24兆1000億円・3兆6300億円と推定されています。「DK-SIS白書」では、粗利規模がパチンコ産業の市場規模を表す最も重要な指標であると述べられていますが、その粗利規模は年々わずかながら縮小傾向が続いており、パチンコ産業を取り巻く環境が年々厳しくなっていると分析されています。
レジャー白書との切り口は若干違いますが、パチンコ産業の市場規模は縮小傾向となっていると捉えている点は同様となっています。

なお、全国のホールの市場規模算出については、経済産業省の「特定サービス産業実態調査」や経済センサスの数値を元にした推計、プリペイドシステムの供給企業の数値を使った推計、さらにはホール経営企業の売上高を累積しての推計なども可能です。

 レジャー白書DK-SIS白書
 売上高売上高粗利
2003296,340—–—–
2004294,860—–—–
2005287,490—–—–
2006274,550—–—–
2007229,800—–—–
2008217,160284,00043,200
2009210,650276,00042,700
2010193,800253,00039,500
2011188,960246,00038,200
2012190,660248,00037,800
2013188,180241,00036,300

※レジャー白書とDK-SIS白書の比較